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日記は死なんよ。何度でも読み代えるさ

LTにおける銅鑼まとめ

アジャイル系カンファレンスのLT大会ではタイムアップを銅鑼で知らせていましたが、どういう来歴だったかを確認する必要があり、ネット上の記述をまとめてみました。

まず、最近こういった記事が出ています。執筆は渋川よしき@shibu_jpさんです。

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ライトニングトークで「銅鑼を鳴らす」というのも今では当たり前になりましたが、「銅鑼みたいなものを鳴らしたい」「銅鑼がないから、うちにある中華鍋を持っていきます!」という会話があって、渋川家の中華鍋を使ったのが最初な気がします。

永和システムマネジメントさんが購入されたので、本当の銅鑼の始まりはそこからですね。

日本XPユーザーグループ(XPJUG)に参加したくだりですので、XPJUGと永和システマネジメントが発祥と深く関係しているようです。

これ以前では「LT 銅鑼」などで検索すると、2012年に小山哲志@koyhogeさんが銅鑼を女性が叩く風習に関して発表した資料が出てきます。

the Histrory of LT and ドラ娘

ここから銅鑼そのものに関連する記述を抜粋してみます。

物理ドラの起源は分かりません
‣ おそらく日本XPユーザーグループ

XPJUGの天野良さんが個人で銅鑼を所有
‣ 各イベントへの貸し出しを行なっていた

天野さんに銅鑼の貸し出しをお願いした
‣ PHPカンファレンス2008
‣ LL Future (2008)
‣ 上記のメールのやり取りのなかで @kakutani さんより、ドラ運搬者の @ngtyk さんに「ドラ 娘」として銅鑼を叩かせるのはどうかと提案され た

当時の永田祐子@ngtykさんは永和システムマネジメントでイベント運営などの仕事をされていたはずなので、やはり永和システムマネジメントと銅鑼は密接な関係があったようです。そして小山さんもXPJUGと書かれていますね。

さらに、2007年に技術評論社から刊行された「エンジニアマインド Vol.3」というムックには、LT関連の記事が2本掲載されています。

そのうち永和システムマネジメント所属(当時)の懸田剛@kkdさんによる記事に、銅鑼の所有に関する記述があります。

ライトニングトークスの歴史(original version)

アジャイル文化のLTでお馴染になっているのが、トークの終了を知らせる「銅鑼(ドラ)」です。これは筆者と永和システムマネジメントの天野勝氏との会話の中で生まれたアイディアで、ベルやアナウンスなどよりも強烈に時間の終わりを知らせてくれます。16

16: 天野氏はこの銅鑼を自前で購入し各イベントに貸し出しています

これによると、天野勝@amapyonさんが購入されたようです。

先の小山さんの発表資料では「天野良さん」とありましたが、これが天野違いなのか? それとも2つあったのか? ただ、永田さんが運んできた銅鑼なら、永和システムマネジメントの天野勝さんが購入したものだったのではとも考えられます。

余談ですが天野勝さんに天野良(あまのりょー)さんといえば「第一回 天野カンファレンス」が2007年に開催されており、このころはLTを含むエンジニア勉強会カルチャーがひとつのお祭り的な盛り上がりを見せていたころだった印象があります。

TAKESAKO @ Yet another Cybozu Labs: 第一回 天野カンファレンス(フォトレポート)

一方、あまのりょー@beakmarkさんも上記のムックでLTの記事を書かれていて、こちらには「銅鑼」というワードは登場しますが、来歴については記述されていません。

ライトニングトークス水先案内

このムックに関しては、先ほどもリンクした竹迫良範@takesakoさんのブログに記述があります。

TAKESAKO @ Yet another Cybozu Labs: エンジニアマインド誌Vol.3で「ライトニングトークス入門」の記事が

ところで竹迫さんはもうサイボウズ・ラボを辞められてるのではないかと思いますが、当時のブログがそのままのURLで残っているのはインターネットにおけるコンテンツの永続性という面でたいへん評価できるとおもいました。

銅鑼に戻ると、XPJUGと永和システムマネジメントと天野さんが重要や役割を果たしていたことはわかりましたが、最初に「銅鑼が鳴った」イベントがいつだったのかは意外と明言されている記事が見つかりませんでした。関係者の方に聞けばわかりそうですが、こちらからは以上といたします。

追記(2023年11月)

懸田さんと天野さんに2021年に言及いただいてました。貴重な証言をありがとうございます!

ということでLTで銅鑼を鳴らす文化は、2004年7月9日のイベント「オブジェクト倶楽部 2004年納涼イベント」までさかのぼれるようです。

ObjectClub - 写真レポート [Web Archive]